紙一重

皆さん、黄綬褒章(おうじゅほうしょう)…ってご存知ですか? よくマスコミで取り上げられる紫綬褒章(しじゅほうしょう)は、文化・芸能・スポーツ などの業界に貢献された人に送られるのに対し、黄綬褒章は、多年にわたり仕事に励ん できた、人々の模範たるべき人に授与される栄典です。

ある番組で、その黄綬褒章の事を『職人の金メダル』として授与された方を紹介して いました。その中で私の印象に残った 66 歳の水信道雄さんのお話をご紹介します。

水信さんは三進工業という会社で、貯水タンクやダクトなど工場内の大きな設備の金 属のカタチそのものを作る製缶工というお仕事をされています。

製缶工は、金属の加工・成形をするのはもちろん、図面を作ったり、パーツ同士を正確に溶接したり、クレーンを使いこなしたりと、とにかく様々な工程をマルチにこなさないといけないので、 玉掛け作業、クレーン作業、切断作業、プレス責任者、製缶技能士、プラント配管技能 士、高所作業者等数えきれないほどの資格をお持ちです。大きな設備は簡単に取り換え られないのでメンテナンスも水信さんがすべて出向いて作業されます。パワフルです!

受賞理由について水信さんは

『偶然、それだけ長くやってるってこと!』

と謙虚にお答えなのですが、最後に仕事の極意を聞かれた時には『こだわり』とおっしゃっていま した。確かに細かいところまでこだわっていらっしゃいます。私はそのあとに言われた

『手抜きと改善は紙一重』

という言葉が、とても印象に残りました。

最近は人手不足で、効率よく仕事をするためにAIを導入したり、働き方改革等でそれぞれの仕事に対する考え方も多様化してきましたが、今していること、しようとして いることが、手抜きのためのものなのか、質の高い仕事をするための改善なのか・・・ 色々考えるいい機会になりました。なるほど・・・ほんと…紙一重ですね。深い。

66 歳というと一般的には定年を過ぎた年ですが、お仕事の話をしている姿、若い人 に厳しく指導されている姿、とても生き生きされて素敵でした!私も長~く働きたいの で、学びと丁寧な仕事を心がけ、生き生きとした66歳を目指したいなと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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