『カシトン』とは・・・大阪府柏原市内にあるたった一つの府立高校でした。正式名称は『大阪府立柏原東高等学校』で、略して『柏東(カシトン)』です。2021年に閉校になっていて、1997年の創立から12,000人以上が卒業されています。私も高校時代はとても楽しかったので母校がなくなるというつらさはイメージできます。普通はこれで終っちゃうんだと思いますが・・・
同窓会費は創立50周年記念行事に向けて約1000万円たまっていたそうです。その使い道を考える中で、せめて『カシトン』という名前だけでも残したいと、いろいろ思案していたところ、1000万円くらいあれば海外の教育をきちんと受けられない子供たちに小学校を建てられるということを知り、『カシトン』の卒業生で、かつて『カシトン』で保健体育を教えていた同窓会顧問の近田(こんだ)さんは動きました。
小学校を建てることができればカシトンの思いを残せるかもしれない・・・
NPOに相談すると、ベトナムに老朽化して雨漏りしている小学校があると知り、新校舎を建てるための寄付をすることになりました。
できた小学校の名前は
キムソンカシトン小学校
です。なんと校章は『カシトン』と同じ校章(小学校なのに真ん中に“高”の文字が入っています!)。校歌もメロディーは同じでベトナム語の歌詞がついていました。近田さんは
『モノ・カタチだけプレゼントするんじゃなくて、カシトンのアイデンティティをしっかり受け継いでください』
と伝えたそうです。
同窓会費を支払っている卒業生たちの同意を得たり、現地に視察に行かれたり、想像するといろいろ大変だったと思います。この話を知って、やっぱり
思い
って大切だなと思いました。きっとこの『思い』があったからこそ、いろんな人を巻き込んだり、協力者が現れたりして形になっていったんだろうなと思います。
カシトンの卒業生たちに毎年ベトナムの後輩たちが増えていくと思うと、なんだかジーンときます。今の時代にも合った素敵な行動だと思います。私がもしカシトンの卒業生ならその小学校を見に行ってみたいな・・・。今は色々なことが便利に簡単にできるようになりましたが、そこへちゃんと『思い』を乗せて行動できる人になりたいなと思いました。
最後までお読みいただきありがとうございました。