主人公のつくりかた

小説家の森沢明夫さんが作家のひすいこたろうさんに、主人公について語っていました。森沢さんは魅力的な主人公にするために【長所】と【短所】を必ず与えるそうです。

人は、長所で尊敬され、短所で愛される

森沢さんがおっしゃるには、普遍的に人気のある物語には必ずサブキャラにまで長所と短所が設定されているそうです。みなさんご存じの『ドラえもん』の人気キャラは・・

  ドラえもん:いろんな道具を出せるけど、ネズミが恐い 

  のび太くん:優しくてあやとりが上手だけど、何もできない

  しずかちゃん:かわいらしくて勉強ができるけど、バイオリンが下手

  スネ夫:お金持ちだけどジャイアンの腰巾着

  ジャイアン:運動神経がいいし、力持ちだけど音痴で母ちゃんに弱い

でも、ドラえもんの中でちょっと影の薄い子が一人いるんです。それは・・・

出木杉くん。

何でも知っていて何でもできる。顔も良くて運動もできるし、性格もいい。この世の中では人気がありそうなんだけれど、読者からは人気がない。それは・・・

短所がないから。

森沢さんは、『主人公に欠点を付けてあげると読者から身近な存在になって人気キャラになる。愛せるし自分ごとのように読んでくれるから感動が伝わるんです。』とおっしゃっていました。実は欠点も武器になる。そこでひすいさんが

欠点とは、欠かせない点なんですね!

とおっしゃっていました。欠点って聞くと、欠けている点と考えて、ネガティブにとらえがちですが、主人公的に考えるとそうでもないようです。これを聞いてから私の考え方も少し変わりました。

私の場合、なんでもその辺に無意識に置いちゃうのでモノを探す時間が多くて散らかってしまう欠点があります。どうして私は元の場所にちゃんと戻さないんだろう・・・と、へこんでしまうことがあったのですが、最近は『だめだなー私、でもこれも私の欠かせない点なのかな・・笑』って、落ち込むよりちょっとあきれた感じで、笑いながら片づけるようになりました(笑)。相手の欠点についても頭から責めるのではなく、この人の欠かせない点はここだな・・・と思えればちょっと言い方が変わるかもしれません。

みんなひとりひとりが、それぞれの人生の主人公。1本の長~い映画の主演をやっているつもりで、進んでいけるといいですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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