高校野球には名将と言われる監督が何人かいらっしゃいます。ご高齢で引退されている方も多い中で、今年も大好きな監督が甲子園にやってきました。
日大三高の小倉全由(おぐらまさよし)監督
です。4月に65歳になられていて、社会科の教員として来年の3月に定年を迎えられます。寮では選手と一緒にお風呂に入り、グランドではとても厳しく、みんなの前で激しく叱責することもあります。でもそのあとには個別に呼び出して、スイーツをそえてきちんと理由を説明するのだそうです。選手やOBからはグランドでは厳しいけれど父親の様な人だと慕われています。
現在活躍中のオリックスバファローズの山﨑福也(やまさきさちや)投手をご存じですか?
日大三高への進学が決まっていた中3の冬、高校入学前の健康診断で脳腫瘍が見つかりました。このままでは生存率が10%。成功するかわからないけれど、手術をするしかない・・・。手術をしても、野球どころか日常生活もできるのかわからない状態です。進学も野球も諦めなければならないと絶望の淵に立っていました。それでも黙っているわけにはいかないと、小倉監督にすべてを話すために電話をかけたのだそうです。すると小倉監督からは思いもよらない言葉が・・・
「病気が治るまで待ってるから。手術、頑張ってこいよ」
入院前には便箋に何枚もの手紙を書いて山﨑選手に渡されたそうです。山﨑選手にとって、どれほど心強かったでしょう・・・
手術は成功し、高2の春にはレギュラーになりました。そして、高3の春。2年前の手術した日と同じ日には甲子園のマウンドに立つ山﨑選手の姿がありました。そして準優勝投手になったのです!もともとできる選手だったとしても並大抵の努力ではなかったと思います。きっと自分の為だけでなく小倉監督をはじめとする支えになってくださった方の為にも頑張れたんだろうな・・・。
のちにドラフト1位でオリックスバファローズのプロ野球選手になりました。
『待つ』ということはどういうことなのか考えてみました。上司と部下の立場に置き換えると、
『売り上げが上がるまで待つ』
『一人でできるまで待つ』等・・・。
ただ待つのではなく、
その人を信じて励ましながら待つ
という時間が、2人の関係を深いものにし、お互いが成長できるのではないかな・・・と思いました。
私の子育てを振り返っても、この『待つ』ということが一番、難しかったように思います。
小倉監督は定年を過ぎても野球部の指導は続けるそうなので、今後も楽しみです!
最後までお読みいただきありがとうございました。