怒るということは・・・

高知県室戸市にある

『むろと廃校水族館』

をご存じですか?

その名の通り、廃校になった小学校を再利用した水族館です。しかも、展示されているのは、地元室戸の生き物のみ。

跳び箱やAEDボックスを改造して水槽に、長い手洗い場だったところが、ヒトデやナマコを触れるタッチプールになっています。他にも机と椅子に標本が展示されていたり、授業に使っていたプールはサメやウミガメが泳ぐ巨大水槽になっていました。

この水族館の館長、若月元樹さんの信念がすごいんです。通常の水族館なら世界から生き物を集めるのですが、若月さんは、室戸の生き物だけで人を集めると決めていました。

室戸で集めた室戸の宝を室戸で公開することに意味がある

と考えていたようです。

もともとウミガメ研究者で、調査のため室戸を訪問されたそうなのですが、その時に、たくさんの生き物に出会い、室戸の自然を多くの人に見てほしいという気持ちが湧き出たそうです。

市の協力もあって2018年オープンできたのですが、それまでには多くの反対意見が・・・。

「人が来ない」

「赤字施設をつくるのか」

「廃校だなんてネーミングが悪い」

等めちゃくちゃ怒られたそうですが、若月さんの信念は揺るぎません。

怒るということは自分の価値観をぶつけているだけ。怒っている人が正解かはわからない

そして、

反対意見が多いのは田舎ならではのことで、何かをしようとすると必ず足を引っ張る方がいる。でも、そういう人たちがいたおかげで田舎は発展せず、今まで自然が守られてきたんだと思います。

とおっしゃっていました。ウミガメ研究者として、自然を守りたい気持ちがあるからこその考え方だなあって思いました。

東京や大阪など都会から帰省された家族が来られるケースが多く、生き物だけではなく、ノスタルジックな小学校の中を見て回れるのも魅力の一つになっているようです。

水族館の名前に『廃校』っていう言葉が入っているのもよかったんですね!

今は、地元の漁港の協力も得られて、どんどん展示する魚も増えているそうです。若月さんの思いがかなえられたのは、きっと、

わがままや野心ではなく、信念の中に室戸の自然や生き物、そこに暮らす人たちへの感謝の気持ちがあったから

だと思います。そんな思いを感じながらゆっくり見に行きたいな・・・と思いました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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